【WEリーグチーム解説①】マイナビ仙台レディースのプレス編【フォーメーション・戦術・組織・監督】

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マイナビ仙台レディース

9月18日第2節

対 サンフレッチェ広島レジーナ

2-0 勝利

フォーメーション

4-2-1-3

前半

試合序盤から前線の連動した強いプレスで広島のパスコースを限定

10番浜田、9番宮澤、8番池尻を中心にサイドに追い込みボランチ2名で回収

獲得サイドから逆サイドに展開して前への推進力を作る

22番万屋、19番佐藤の両サイドバックも常に高い位置を保持してディフェンスで常に数的優位を作る戦術が見て取れた

さらに両サイドバックがワイドに開いていることで広島のサイドバック、特に前半10分までは左サイドの万屋に対応する為、広島の右サイドバックはつり出され、空いたCBとのスペースに浜田が飛び込むというシーンが何度もあった

決定機①

7分20秒

左サイドの万屋からアーリー気味にクロスが上がる

中央センターに待ち構えていた白木が胸で落とす

センターに移動していた池尻から空いた広島右SBの裏のスペースに浮きスルー

飛び込んでいた浜田にはボールは合わなかったが、パスの質が良ければ間違いなく1点というシーンだった

サイドバックの高い位置が功を奏したシーンを早い段階から作ることに成功

白木170㎝、浜田173㎝、池尻165㎝と3トップの高さがある分前線のタメが作れることもこの戦術がしっかりはまった要因だろう

守備スイッチ①

広島のSBorCB→ゴールキーパーまでボールが戻る瞬間に、宮澤が猛烈プレス

11分55秒のシーンでもプレス回避で左サイドにGKが蹴ったボールはラインを割り仙台ボール

広島のつなぐ意識が高かった所を狙っていたのだろう

1節で広島は完ぺきな連携から3得点で快勝

【ボールをしっかり繋ぐ】という良いイメージを持ってホームで仙台戦を迎えたがそこを逆に突かれた格好

パスミスも多かったのもなかなかリズムを作れなった要因だろう

決定機②

前線の3トップとトップ下の宮澤の関係は流動的でセンターから白木が落ちてそのスペースに池尻が入るというシーンが何度か続いた後

14分55秒

ミドルゾーンのこぼれ球をほぼ回収できていた仙台

クリアボールを宮澤がプッシュして広いセンターに走りこんでいた池尻の足元に転がる

池尻から白木に通り左足で強烈なミドル

枠は外れたが決定機を作った

広島のCBと右SBが白木のシュートをケアしに走った両脇を池尻と浜田が走りこむ動きも怠らない

白木のシュートではなくどちらかへのパスでも完全なGKとの1on1というシーン

決定機③

28分~

左サイドを圧倒していた所から28分のシーンはCBの14番國武がミドルレーンまでボールを保持して押し上げ右SBの佐藤にパス

このシーンの広島のプレスは弱く右サイドでも仙台の数的優位を作る

広島の中央はコンパクトではあるが、仙台の幅を利かせた位置取りを把握しきれていない

パスを受けた佐藤から國武に戻し、ダイレクトで中央の浜田へクロス

この時広島の中央にDFが集まり左の万屋はノーマーク、競った浜田も左に流れノーマーク

ボールは11番長野が拾い、7番隅田に落とし右に流れていた白木にスルーパス

白木とポジション交換していた池尻がセンターで待ち構えクロスにヘッド

この時左サイドの万屋、浜田はノーマーク

広島GK木稲が弾いて得点ならず

広島は守備の修正をしたいところ

得点

43分

前半終了間際左サイドのコーナーキック

長野からショートコーナーで隅田へ渡る

この時の広島も隅田への寄せはほぼなく、遅れて対応したDFをかわし左足で上げたボールはGKの頭を超えてネットを揺らした

おそらくクロスを意識して蹴ったと思うが、ボールの質も良くドライブが掛かってサイドネットに刺さった

前半終了

仙台は高強度で前線からのプレスを序盤から仕掛けていたことで、前半終了につれて少し足が重くなった場面も出てきていた

特に広島のボランチ攻守の要の近賀にボールが入った場面は鋭く複数人で囲むことが徹底されていた印象であった

その中で後半の戦術はどうなるのか気になる

サンフレッチェ広島レジーナ0-1マイナビ仙台レディース
シュート11
コーナーキック
フリーキック

後半

後半序盤は前半とは違い、仙台のプレスをかいくぐることができるようになった広島が前にボールをつなぎ、アタッキングサードにボールを運ぶ機会が多くなった

決定機

50分台

50分から52分台にかけては宮澤のプレスがまだ衰えず、仙台は繋ぐ広島を囲んでボール回収

広島のパスミスを回収した佐藤がサイドから中央にカットイン

そのまま宮澤へパスを送り、ミドルシュート

そのすぐ後も右サイドでの仙台のプレスは強くルーズなボールはほぼ仙台ボール

國武の縦パスからそのままオーバーラップを見せDFを翻弄

白木の足元に入ったボールはそのまま持ち運びミドルシュート

得点

白木のミドルがDFにブロックされた後

広島DFのクリアが仙台左サイドに流れ、そのボールをCB市瀬が回収

市瀬はそのままドリブルで駆け上がり浜田とワンツー

相手DFを切り替えしでかわしクロス

中央の白木の足にピタリと合って2点目

完ぺきな崩しからのゴール

2点目のシーンと直前の決定機はどちらも仙台CBの高い位置取りから広島DFのギャップを突いた攻撃が生んだゴールであった

【プレスからのルーズボール回収】

【数的優位の形成】

【相手DFのギャップを作る】

この3点の攻撃の意識を実行できていることが仙台の大きな強みであり得点に直結している

その後は

広島11番中嶋を起点に左サイドから攻撃を受けるシーンが続く

決定機⑤

61分にはサイドチェンジから左サイドへ展開

万屋の早いクロスに浜田のヘディングシュートが合う

枠は逸れたが、クロスの質と浜田の強さが際立ったシーン

63分までに4人の選手交代をした広島の勢いが強まる

再三仙台の左サイドを突かれ、中央にカットイン、クロスと猛攻を浴びる

広島は最後のところで決めきれず苦しい展開

65分頃になると、仙台の前線のプレスのタイミングが遅れ始め、囲みに行ったボランチの間をパスではがされ、フリーの広島の選手がボールを受ける場面が多くなる

フォーメーション変更

71分

佐藤 OUT 4番高平 IN

この交代で仙台は4バック→3バックに変更

広島の選手交代によって活発化した前線を3バックでしっかり抑えるフォーメーションに変更

3バックにボランチと万屋が加わり5バックも作りながら対応する

85分にも仙台は2枚選手交代を行い、前線からのプレスにテコ入れ

近賀から前線へ何度も鋭いパスが出てくるが何とかしのぐ

終盤も広島にボールを握られながらもDF陣の粘りとGK松本の好判断もあり無失点に抑え試合を終わらせ仙台はWEリーグ初勝利を獲得した

結果

サンフレッチェ広島レジーナ0-マイナビ仙台レディース
13シュート15
コーナーキック
フリーキック

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